さーて、大注目のドイツ連邦議会総選挙の暫定議席が決まった。
最大野党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)はドイツ社会民主党(SPD)を抑えて第1党となったもののの、議席数の差はたったの3!SPDの支持率が20%台に低迷していた1ヶ月前には考えられなかったような結果となった。
選挙管理委員会発表の主な政党の暫定議席数
ドイツキリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU) - 225議席(得票率:35.2%)
ドイツ社会民主党(SPD) - 222議席(同:34.3%)
自由民主党(FDP) - 61議席(同:9.8%)
左翼党(旧民主社会党) - 54議席(同:8.4%)
緑の党/90年連合 - 51議席(同:8.1%)
旧東ドイツの政権政党ドイツ社会主義統一党(SED)の後裔とSPD左派の連合である左翼党が、議席獲得に必要な5%の壁を越えて第4党に踊り出たことにも注目。侮れない勢力になってしまったな、こりゃ。
さて、これによって、CSU/CDUと中道政党の自由民主党(FDP)を足しても過半数に届かず、SPDと緑の党の現連立与党も過半数割れという事態になってしまった。シュレーダー首相もCDUのメルケル党首も政権は自陣営のものだと宣言したが、これではどっちにも決まらない。ドイツのZDFテレビ(公共放送)は、勝者は唯一10%以上も得票率を伸ばしたFDPで、二大政党は敗北と報じる有様だ。さて、どうなることやら。
まずCDU/CSUは、普通に考えれば自由主義政党のFDPしか組む相手がいない。左派党・緑の党はそれぞれSPDより左寄りなので、政策的に合うはずが無いからだ。一方、SPDは緑の党は勿論、FDPとも左翼党とも組む気になれば組める。実際、70-80年代初頭のSPD政権であるブラント・シュミットの両政権は、FDPとの連立だったのだ。おそらくSPDはFDPにも連立交渉を持ちかけるだろう、場合によってはFDPがかつてのようにキャスティングボートを握る事態もありうる。
さらに有力視されているのは、前にも書いた通り、CDU/CSUとSPDの左右大連立政権である。これも、既に1960年代のキージンガー政権で実績がある。とはいえ、シュレーダー首相自身はイギリスのブレア首相の「第三の道」に影響を受けた人物だから新自由主義的な改革を進めたが、それ以外のSPDのメンバーは伝統的な欧州の社会民主主義路線の人も多い。保守政党と上手くやっていける可能性は低い。
しかも、実は今回の議席は暫定議席であって、旧東ドイツのドレスデン地区だけ候補者が途中で死去した関係で10月2日にならないと議席が決まらない。旧東ドイツでCDUはあまり強くないので、場合によっては結果がひっくり返る可能性もある。二大政党と他の3政党を交えた連立交渉も含めて、まだまだ波乱の要素は大きいのだ(注:結局CDUが取って議席差を4に広げた)。
さて、シュレーダーが3期連続で首相となるのか、メルケルがドイツ史上初の女性首相、統一後初の東ドイツ出身首相になるのか、目が離せない。
どーでもいいけどさぁ、やっぱ「先進国」の選挙って面白いよね。どっかの極東のドヘボ島国と違ってさ、選挙結果がムードで決まってないしさ…。
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